ディストピアを歩む
プロメテウスが天界から火を盗んで人類に与えた事に怒った神々は
人類に災いをもたらすためにひとりの女を作った
神々は彼女に決して開けてはいけないと言い含めて
箱(壺とも言われる)を持たせ、プロメテウスの元へ送った
彼女は神々から様々な贈り物を与えられ
「神の贈り物」という意味である“パンドラ”と呼ばれた
いつしかパンドラは自身の好奇心を抑えきれず箱を開けた
箱からは疫病、悲嘆、欠乏、犯罪など様々な災いが飛び出した
彼女はあわてて箱を閉じるが
あるものだけを残してすべて飛び去ってしまった後だった
こうして地上は様々な災厄に見舞われるようになった
はて、残されたものはなんだったか?
一説には希望
どんな災厄が起こっても希望だけは失われない
一説には最大の災厄 偽りの希望
それがあるから人は空虚な期待を抱きながら生きなければならない
一説には未来を知る能力 全知
これが封じられたから人は未来を知り絶望することがない
人は希望を失わず生きていける
さて、残されたものはなんだったか?
盲目の希望
世界の絶望と希望