クライマックスだっ!!

ついに訪れた、最終面接
いつも通りの電車に揺られ
三度降り立つ、決戦会場
最後の相手は役員クラス
所長、所長、部長、部長
相手は4人
対するこちらは孤立無援
初の個人面接


「5分で自己紹介とPR、研究内容をお願いします」
告げる人事部長
「5分で、ですか?」
聴き返す僕
「ええ、お願いします」
悠然と人事部長
自己PR、志望動機、研究内容
準備してきた全てを引き出し、再構築
面接開始、自分語りスタート


「大学の研究と企業の研究の違いはなんだと思いますか」
「あなたに対する友人の評価を教えてください」
「あなたが行っている研究のゴールはなんですか」
「チームにおいて、あなたが最も大切にすることはなんですか」
「研究はどういうモノに生かせると思いますか」
スペシャリストとジェネラリスト、どちらを目指したいですか」


30分に渡る面接が終了
面接官の方々の表情の変化も捉える事が出来たし
2次面接の時より手応えはあるんだけどな
どうかな?
他の受験者との比較にもなるんだろうし
まぁ、言える事は全て言ったつもり
出来うる限りのことはやってきた
悔いは無いというか
ここまで来ている事自体が予想外で埒外なのだ
それでも、なんだか受かるんじゃねぇかと
妙にカルく、ユルく、期待しているのは
自信過剰なのか、楽天的なのか、オプチミストなのか
なんだかんだと、相反する感情を同時に持ちつづけているのだから
なんと矛盾し、面倒な生き物なんだろう


面接後に“なぜあなたはここにいることができたのか”教えてくれた
今までの面接での評価である
よいところばかりだったけれど
悪かったところも教えてくれたらよかったのに
誉められて悪い気はしないけれど


東京に戻り、研究室の同級生と合流
彼らもそれぞれに就職活動
試験受けたり、説明会行ったり
沖縄料理のお店で夕食
泡盛ベースの酒飲みながら
1社が終わったことをなんだか実感
終わったんだよなぁ
予想外の喜びとか、挫けそうになる悲しみとか
認められない悔しさとか、祈るような期待とか
言いようの無い不安とか、奇跡のような出会いとか
こんな思いをして
働くってのはなんなんだろうな