参考文献


世界が退屈なのは、本人が退屈なプレイヤーだからだ。
俺というキャラグラフィックはヘボいし、魅力値も低い。
経験地の稼ぎかたすら分からないし、
能力値はゲームスタート時からむしろ低下している。
所持金は初期資金より増えない。レアアイテムも持ってない。
そんな俺が演じるストーリーは、
喰う寝る遊ぶ文句を言って屁かクソをする、そして喰う寝る遊ぶ。
その繰り返しで、意外な展開や美少女キャラとのフラグはゼロ。
昨日の続きの今日という、
起伏のないストーリー以前のものが繰り返される環境ゲーム。
プレイヤーがオープニング画面でクソゲーと断じ、
それが正解なレビューなのが俺というゲーム、俺という名の主人公。
世界中のほとんどの人間が主人公としてプレイさせられているゲームだ。
しかし、一生という有限の時間を、
退屈だ退屈だと無様に喚くだけで終わりたくはない。
他者に求めるのではなく、自分を楽しませる自分を、
自ら作り上げるべきだ。
それが遠回りに見えて、実は一番効率的なんだろう。
俺は俺の退屈を紛らわせるべく、
俺のためのくだらない言葉を吐きつづけている。
劇も日常もすべて同じだ。
自分で自分を楽しませるしかない。
クソつまらないクソくだらないことしかできないが、
それだけが他人にお仕着せされ施されたのではない、
自分だけの経験だ。