ゆさぶり



「Hook君、ちょっといいかな」
「はい?」
教授に呼び出される
部屋に通され、対面に座る
「就職も決まっていて、こんなことなんなんだけど、博士課程へ進学できる最後のチャンスの期限が迫ってるんだ。以前にきみの名前が載った論文がパブリッシュされて、また今回も論文がパブリッシュされる。もう2報出ていて、学位習得のためのハードルは相当低い。となると、博士課程の3年間は非常に積極的な研究ができると思う。やっぱりもったいないと思うんだ。どうだろう、ちょっと考えてみてくれないか?」


評価されているのは素直にうれしい
ありがたいことに
かなり恵まれた状況である
いまの研究室の状況から
ドクターが欲しいという単純な要求も理解できる
5月に下した決断に
ここにきてゆさぶりをかけられるとは
思いもよらなかったな