きみにすら聞こえない

持っているのが当たり前になってしまった携帯電話
携帯持ってるからって誰かから連絡来るって訳じゃない
電池が残ってても連絡なんて来ない
だけど、目に見えない「人との繋がり」って枷は確固として存在し
連絡が出来てしまうという、その可能性
そいつに拘束をされている
いつでも人に干渉される可能性に
携帯の呪縛
でも、その枷がないと
セカイから取り残されたみたいで怖くって
だけど、連絡ってのはそうそう無くって
どちらにしても携帯ってヤツは孤独を与えてくれる
それでも連絡が取れないと困るからって
毎日充電が切れないようにって電源アダプターをコンセントに差し込んでる訳
来る日も来る日も、健気に
そんなどこか矛盾したものを
僕は毎日持ち歩いてるんだ
いつか来る連絡のために、充電が切れぬよう人一倍心がけて


本日が上映終了日と知って
あわてて映画、観に行きました
研究室、3時頃脱け出して


きみにしか聞こえない

シンヤさーん、聞こえますかー
わたしの声、届いてますかー



原作は何度読んでもせつない
映画もおなじくらいせつない
映像化のためいろいろ変更点はあるけれど
僕は気にならない
なにげない声や音が印象深い映画
空と風と水と緑が伝えるものがある
成海璃子さんが大きな声で呼びかけるシーンはすごい
うまい言葉が見当たらないけど
こみ上げるものがある
暗いところで待ち合わせと同様に
ピアノで主人公の心の変化を表現したのは偶然かな
観ているととても優しく、穏やかな気分にさせられる
すがすがしい気分で映画館を出れる


それにしても乙一原作の映画は
どんどん豪華になってる
主題歌、ドリカムってすごいね


こんな映画を一人で観に行ってる僕もせつない
いやいや、10人くらいが観てたけど
みんな一人でしたよ
・・・ホロにげぇ


ところで、僕の声は届いてますか?