吹かすぜ、せんぱい風

怒りたくはない
小言を言いたくはない


でも、やはり、言わなくちゃいけないときもあるだろう
うちの研究室の学部生は研究室に来ない
どこにいるのかわからない


そのうち察するだろうと思ってた
ガキじゃあるまいし
正式に配属されて3ヶ月経った
いつまでも変わらなかった


この研究室は同じ課程のどの研究室と比べても
縛るものは少ないだろう
でも、その自由は義務を果たすからこそ得られる権利であって
無条件に得られる権利じゃないんだよ


あんなこと言いたくなかったけれど
いい加減、目に余るから、耐え切れないから
ついに言ってしまった
M1全員で言ってしまった


一度口を開いたら止まらなかった
しゃべりすぎた
いつでもしゃべりすぎだ
結局なにがいいたいんだろうな
言いたかったのはそんなことじゃない
伝えたかったのはこんなことじゃない
これじゃただの嫌がらせみたいだと
思いながらも止まらないくだらない言葉達
そんな権利ないのにね
でも、言わなきゃいけないような気がした
陳腐な言葉、ならべてさ

「僕が本気になったら、こんなものではないよ?
 飼っていた犬が神経症になったくらい可愛がるからね」

やさしくするのは簡単だ
きびしくするのは複雑だ
これで
わかってもらえれば重畳
変わってくれれば十全
これが最後のチャンスだよ
優しさの反対は無関心だ